アイヌ民族の文化から見るエゾシカの魅力

2019/01/30

こんにちは。 LAMUDA受付の木村です。

突然ですが、ゴールデンカムイという漫画はご存知ですか?

北海道の樺太を舞台に、主人公である日露戦争の元兵士が、アイヌ民族の少女と共に埋蔵金を探すために冒険に出るストーリーなのですが、とても興味深いのはこのストーリーには多くのアイヌ民族の知恵が含まれていることです。

 

今回はその中でもアイヌ民族にとって深い関わりのあるエゾシカについてご紹介したいと思います。

 

アイヌ民族に「ユク」(アイヌ語で”獲物”という意味)と呼ばれているエゾシカがいます。
エゾシカはアイヌ民族にとって主食といっても過言ではなく、食用としての肉はもちろん、あらゆる部位が道具や薬を作るために利用され、無駄のない生き物として有効活用されました。

アイヌ民族に捕食されていたエゾシカ

 

実は単純に味や一度に確保できる肉の量のためだけでなく、エゾシカが主食になる理由が他にもあったのです。
ヒントはエゾシカの栄養成分にありました。

 

 

今回は他の赤身肉(いずれも赤肉、生)と比較してみます。※1

エゾシカもも肉(100gあたり)

エネルギー・・・147kcal
タンパク質・・・22.6g
脂質・・・・・・5.2g
鉄分・・・・・・3.4mg
亜鉛・・・・・・2.9mg

牛もも肉(100gあたり)

エネルギー・・・193kcal
タンパク質・・・21.3g
脂質・・・・・・10.7g
鉄分・・・・・・2.7mg
亜鉛・・・・・・4.5mg

豚もも肉(100gあたり)

エネルギー・・・128kcal
タンパク質・・・22.1g
脂質・・・・・・3.6g
鉄分・・・・・・0.9mg
亜鉛・・・・・・2.2mg

 

こちらはあくまで赤肉のところだけの栄養成分となり、脂身は含まれていないので、実際の牛肉・豚肉はよりエネルギー、脂質が高くなってきます。

 

しかしそれを考慮しなくても、いかにエゾシカが高タンパク質・低脂質であるかが分かります。
脂質は牛肉の約半分でありながら、より多くのタンパク質を含んでいます。

そして特筆すべきなのは、その鉄分と亜鉛の多さです。 人は鉄分、亜鉛不足になると、体内の赤血球が減少し、貧血を起こします。

 

貧血は身体を低体温状態にし、以下のリスクが高くなります。

身体の代謝機能の低下
自律神経失調症
免疫力の低下
ガンの発症

 

つまりアイヌ民族は北の大地で生き抜くために、エゾシカを食べることで、血液循環を良くし、高体温を保つことが出来たのです。

 

エゾシカ肉は高タンパク低脂質であり、鉄分・亜鉛が豊富。
つまりダイエットや温活にもぴったりな食材であることが分かりました。

しかし実際に鹿肉を家庭で調理する方はそれほど多くないかと思います。

 

そこで次回は、エゾシカ肉をはじめ鹿肉をより身近な食材と感じていただくために、実際にエゾシカを調理してレポートしていきたいと思います。



※1 日本食品標準成分表より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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